このたび、当院の医師が研究責任医師を務める特定臨床研究において、重大な不適合事案が発生していたことが判明いたしました。ここに謹んで深くお詫びを申し上げますとともに、以下の通りご報告を申し上げます。
【研究名称】
脳卒中回復期の上肢片麻痺患者に対する手指リハビリテーションロボット(SMOVE)を用いた、手指運動機能訓練の、回復期リハビリテーションにおける有効性及び安全性を検討する、PROBE法を用いた従来治療対照多施設共同研究者主導臨床研究
【事案の概要】
文書での同意を得る前に未承認機器である当該研究における装置を患者へ装用し、スクリーニング検査を実施した。
【経緯】
本試験では文書同意を得た後に、研究装置の動作が可能かどうかの検査を含むスクリーニング検査を行うこととしている。そのスクリーニング検査後に一次登録を行う定めとなっており、一次登録の除外基準の一つに「筋電位を検出できず、研究機器の伸筋モード動作を開始できない者」という基準があるが、「研究機器の伸筋モードの動作が開始できるもの」が研究対象者の選択基準であるとした誤認が生じ、文書同意を得る前に研究装置の動作が可能かどうかの検査を行った。
【対応】
研究責任医師から研究代表医師へ通知を行い、研究代表医師を通じて認定臨床研究審査会(CRB)へ報告を行った。
【再発防止策】
同意を取得してからスクリーニング検査を行う点について、明確に再周知を行った。また研究代表医師を通じて他の研究責任医師に情報提供を行った。
今後このようなことがないよう再発防止策の徹底に努め、臨床研究を通じて医療の発展に寄与して参ります。
2023年8月31日
社会医療法人春回会 長崎北病院 病院長